小学校の取り組み

卒業証書づくり~吉野の手漉き和紙~

古くから「和紙の里」として有名な吉野町。国栖地区では、現在も紙漉きの伝統が受け継がれています。

本校6年生は、地域の職人の方々のご協力とご指導のもと、和紙の原料である楮の木を育て、刈り取り、和紙を漉くまでの一連の作業を体験します。子どもたちひとりひとりが漉いた和紙が世界でたった一枚の自分の卒業証書となります。児童はそれを卒業式に受け取り、学び舎を卒業します。約40年間続いている卒業証書づくり。自分で漉いた卒業証書は、卒業生にとって、思い出深い“たからもの”となっているようです。

このように、伝統産業である和紙づくりの体験を通して、地域のよさに目を向けるとともに、地域の人々のあたたかさに触れ、地域への“愛”を育んでいます。

桜の植樹~美しい吉野山を守る~

吉野山に咲くシロヤマザクラの種を拾い、果肉を落として学校の畑で発芽させ、約5年間育てた苗木を吉野山に植樹する。美しい吉野山を守っていく活動は、旧吉野山小学校から旧吉野小学校へと受け継がれてきた行事です。

吉野さくら学園の新校舎に移るにあたり、旧吉野小学校のさくら畑で大切に育ててきた桜の苗木を、新しいさくら畑へと移植し育てることにしました。これからも桜を育てる活動を、全校児童で続けていきます。

中学校の取り組み

吉中友灯工房~友灯と吉野~

吉野には、「製材」「割り箸」「和紙」という伝統的な地場産業があります。しかし、最近はいずれも低迷しており、平成10年にそのような吉野の木材関連産業の元気を取り戻そうと、「吉野山灯り実行委員会」が設立されました。郷土の素材を使った照明器具「山灯り」の制作を通して、木の良さや温もりを多くの人に知ってもらい、地場産業の活性化を図ることを目的に活動されてきました。

そして平成14年度からは、吉野中学校でも、総合的な学習の時間を利用して「Jr.山灯り塾」が始まりました。地元の産業を理解し、郷土に対する愛着と誇りを高めるよい機会として、この取り組みは毎年続けられています。

平成25年度には新しく名称を募集し、「吉中工房」と決定しました。さらに、本校の卒業生であるデザイナーの坂本先生をはじめ、吉野製材工業協同組合様・吉野製箸工業協同組合様・吉野手漉き和紙組合様・町商工会のみなさま、吉野高等学校の先生など多くの方々のご協力のもと行われる行事です。 

吉中友灯工房のめあて
  1. わたしたちの郷土吉野の地場産業である「製材」「割り箸」「和紙」を素材とし、触れることで、郷土をさらによく知り、郷土についてよく考えよう。
  2. 自分も郷土の一員であることを自覚し、もっと吉野を好きになろう。
  3. 学級や学年の仲間とともに取り組み、互いの作品を認め合うことで、仲間作りをさらに深めよう。
  4. 世界にたった一つの、オリジナルの灯りを作って、中学校生活のすてきな思い出の一つにしよう。

吉野山観光案内~美しい吉野山を守る~

郷土吉野のすばらしさを発信するために、中学2年生が吉野山の各ポイントに立ち、観光案内を行う行事です。観光客のみなさんに吉野の良いところを発信できるように、1年生から地元の歴史や良さについて学びます。

その後、観光ボランティアの方々から吉野山で各ポイントについての説明を受けながら学びを深め、実際の観光案内に生かしていくという取り組みです。

実際に案内することには慣れておらず大変ですが、観光客のみなさんの立場になってどんなことを知りたいかを考えながら行っています。

吉野山観光案内のねらい
  • ふるさと学習を通して、地元吉野を誇りに思い、郷土愛を深める。
  • 班の仲間と協力をして、主体的に活動する。
  • 観光客の人々との交流を通して、コミュニケーション力をつける。